卒業生キャリアインタビュー

GRADUATES CAREER INTERVIEW 11

BUILDING
イラストレーター

利光 春華

東洋美術学校グラフィックデザイン科卒業。 アパレル会社に勤務しTシャツやカタログなどのグラフィック制作を担当。同時進行で、イラストレーターの活動を開始。”東京コレクション2005 S/S”で発表された、アパレルブランド「MULTIPLE MARMELADE」の作品制作に関わる。ファッションショーでは、ランウェイを歩くモデルの代わりに、段ボールに人のイラストを書いた”段ボールマネキン”を制作。また、DMや、Tシャツのイラストを手掛けたりと、大々的コラボレーションを成功させた。2008年より、フリーのイラストレーターとなる。雑誌、シーズンカタログ、Tシャツデザインなど、ファッション関連の仕事を中心にイラストレーションを手掛ける。現実と幻想の間を行き来する、不思議な印象の作品を制作している。

賞歴
第1回10CARDS FOR MILANO SALONE入選
第133回THE CHOICE 服部一成審査準入選
第3回TIS公募入選

自分の絵にこだわった時期もあったけど、お客さんが喜んでくれるとうれしかった。

やりたいことはこれじゃない。誰もが一度は陥るジレンマだ。自分が描きたい絵と商業美術の絵。その狭間で自分をどう表現するのか。プロに成り立ての頃、利光さんには葛藤があった。優先順位を整理し直し、少し視点を変えてみた。すると新しい世界が開けた。

「今はファッション誌やアパレルメーカーのカタログのイラストを中心に描いています。得意なのは、写真の上に鉛筆で手描きしたイラストを重ねる技法。学生の頃から絵で食べていきたいと思っていたのですが、最初は依頼されて描くことに抵抗感がありました」

悩んでいた時期、ヒントになったのが、仕事関係の先輩からのアドバイスだった。

「ずっと続けたいなら凝り固まらず、どんどんテイストを変え、いろいろ試してみろ、と言われたのです。とりあえず売れそうな作品を作ろうと思い、試しに描き分け始めたら周囲から依頼が舞い込んできた。商品になると充実感もありました。お客さんが喜んだり感動してくれると素直にうれしかった。だったらこういう方向性もありかなと思ったんです」

イラストのゼミの先生は厳しかった。涙が出そうな時もあった。でもそれがバネになった。
「プロになったら誰も叱ってくれません。作品が駄目なら仕事が来なくなるだけですから」
フリーランスの世界は厳しい。あの時の先生の叱咤は今でも心の支えになっている。

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