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日産自動車株式会社
デザイン本部 カラーデザイン部
視覚伝達デザイン科
デジタルグラフィックデザイン専攻
2002年度卒
色と素材を駆使して、トータルな世界観を表現する車のカラーデザイン。松本さんは、組織の中で個性を上手に発揮しつつ、仕事に打ち込んでいる。
「デザイナーのこだわりはもちろん大切ですが、車のデザインは一人で行うものではありません。他部門の人たちと協同し、品質やコスト、環境負荷など、様々な制約と折り合いをつけていく必要があります。また、自分がやりたいことや挑戦したいことと、マーケットニーズとの接点を見つけて、うまくバランスをとらなければならない。ですからデザイナーには、コミュニケーションスキルも不可欠なんです。例えば社内で、上司から難しい案件を相談されることがあります。そんな時もすぐに諦めず、一工夫して『こういう方法ならできます』と自分なりの意見を返す。絶対に『できません』とはいわない。これが僕のモットーです」
一方、どんな仕事でも年齢を重ねれば責任やプレッシャーを背負う。重圧を受けながらも、常に高いクオリティを保つには、どうしたらいいのか。
「僕が心がけているのは『適当にベストを尽くす』ことです。もちろん適当というのは、 “手を抜く”ことではありません。自分として納得のいく一定の水準を設定して、そのなかで最大限の効果を出すという意味です。通常カラーデザイナーは複数の案件を並行して進めていきますから、一つの仕事だけにのめり込むわけにはいきません。その時々で頭を切り換えるには余裕が必要。ゆとりがなければ、継続して良い仕事をすることはできません。次の一歩のために、7割程度の力で回していく。そしていざという時に120%の力を発揮する。これが僕なりに編み出したセルフマネージメントなんです」
そんな松本さんが、自己を発見し、新たなステージへと踏み出すことになった原点は、東洋美術学校にある。
「僕はもともとアート志向が強いタイプだったんですが、『自分が目指すべきはデザイナー』と明確に自覚できたのはある授業での一言がきっかけです。『デザインは、お客様に喜んでもらった上でビジネスとして成立させるもの。アートとは違う』。この教えは揺れていた僕の心にぴったりフィットしました。加えて学校で得たものといえば、幅広い対応力とスピード。課題が多く提出までの期間も短かったので鍛えられました。就職後もバリエーション展開とスピードは僕の武器になっています」
今後はプロジェクトの戦略を練る仕事にも取り組んでいきたいという松本さん。さらなる活躍が期待される。
