保存修復科の機材・道具について

保存修復科には、美術品の状態を観察・分析するための「マイクロスコープ」や「電子顕微鏡」、「三次元計測機」といった各種分析機器をはじめ、和物の制作や修復に用いられる「刷毛」や「裂地」などの道具・素材、さらに文化財の現状を正確に記録するための「大判カメラ」や「一眼レフカメラ」などの撮影機材が備えられています。

授業や実習では、これらの機材や道具の基礎的な扱い方から実践的な活用方法までを学び、現場に即した経験を積んでいきます。

分析器

デジタルマイクロスコープ

文化財の表面を高倍率で観察し、亀裂・摩耗・汚れ・繊維状態などを非破壊で確認する装置。修復前後の比較や劣化の進行記録に用いられます。

フーリエ変換赤外分光分析装置

赤外線吸収から分子構造を調べる分析法。紙・繊維・樹脂など有機材料の種類や劣化状態を非破壊または微破壊で評価でき、機械学習との親和性も高いです。

蛍光X線分析装置

X線を用いて含有元素を調べる非破壊分析法。顔料や金属材料の元素組成を把握でき、文化財の材料特定や制作年代との整合性、技法研究に用いられます。

和物

刷毛(はけ)

糊を扱う刷毛、紙を撫でる刷毛、水を含ませて使用する刷毛など、和物で扱う刷毛の種類は非常に多いです。これらの刷毛の使用方法、手入れの仕方などを実習で学びます。

糊漉し

和装本、表装、日本画修復など和物の製作や修復に必要不可欠な糊は、生麩糊を授業毎に焚いて自分たちで手作りします。鍋で炊いた糊をなめらかに使用するために丁寧に漉す作業は時間がかかり最初は大変ですが、実習を経験していくうちに段々と作業に慣れていきます。

裂地(きれじ)

掛軸を作成する際に絵の回りを飾る織物です。豪華で派手なものから落ち着いたものまで様々な種類の織物を絵の雰囲気や自分の好みで組み合わせます。中にはとても高価なものもあり、緊張感をもって作業ができる貴重な経験となります。

撮影機材

一眼レフカメラの撮影

文化財の現状を記録するため、写真による記録は保存修復の分野では欠かせません。文化財分野の撮影では、作品や資料の設置やライディングやカメラの設定を記録を取りながら進め、将来的に比較や検証ができるようにします。

大判カメラの撮影

保存修復では高解像度の記録を残すため、一眼レフカメラだけではなく、デジタル写真の撮影ができる大判カメラによる撮影も習います。ドラマなどで見る昭和初期や戦前のカメラのように、カメラマンは黒い布をカメラの後ろで被ってピントを合わせ、撮影します。

撮影で使用する照明

左から、白熱球、LED照明、ストロボ(フラッシュ)になります。使用するカメラや状況によって、これらの照明を使い分けていきます。

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