その文字、なんて書体?デザイン学校の先生に聞いてみよう!

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まちのあか〜り〜が〜♪ とてもキレイね、ヨコハマ♪

どうも横浜出身の男、グラフィックデザイン科専任講師の丸山です。

maruyama-1024x1024丸山 貴明
グラフィックデザイン科 専任講師
Photoshopの授業で自分を素材にレタッチをされ続けること早4年。ついたあだ名は「フリー素材の男」。picorre Live!運動会の司会などにも関わっている。

本日は横浜に来ています。

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なんで来ているかって?

実は本校の専任講師 中村将大先生が、株式会社OFFICE HALOさんが運営する社会人向けスクール『おとなのアート&デザイン学校CORNER』にて受け持っている『デザイン・ツアー<文字編>』講座の取材の為です!

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中村先生は本校のクリエイティブデザイン科、夜間部グラフィックデザイン科の専任講師であると同時にタイポグラフィ学会の理事でもあります!文字のプロフェッショナルですね!

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気になる文字の探索に余念がない理事

今回はデザイン・ツアーということで、横浜駅周辺の文字を探索して参ります!

…それでは、早速、出発しましょう!

1.書体のかたちで受ける印象って大事!!

まずは、文字から受ける印象の違いを説明する中村先生。

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ほうほう、確かに書体が違うだけで大分伝わるイメージが違いますな。

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それぞれの企業によっても書体が違うんですね。

ん?

横浜銀行だと思ったら、これ、

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横浜銀蝿じゃん!

内容が違くても書体を揃えると違和感ないもんなんですね!

(正確には全く同じ書体ではなく、類似した書体を使っています。)

ここからは実例を元にどのような書体が使われているのか?その書体の特徴などを中村先生より解説していただききます!

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L’OCCITANE
フランスの化粧品ブランド ロクシタンはGaramond(ギャラモン)を採用。Garamond(ギャラモン)は、なんと16世紀フランス・ルネサンス時代の活字!それゆえ伝統的な印象をロゴからもうけるそう。

(それにしてもお店の中すげ〜いい匂い。)

ちなみに今回中村先生は手元にフリップを準備して様々な書体について、説明していったのですがこのフリップ、全部中村先生の手作りなんです!画像を拾ってきてるわけじゃないんです!

書体を知り尽くしている中村先生だからこそ出来るワザなので、一般の方は真似しないでくださいね!

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LUMINE / Aesop / FANCEL / GODIVA

ヘルマン・ツアップ設計によるOptima(オプティマ)を採用したロゴたち。オプティマはサン・セリフ書体でありながらも抑揚があるのが特徴。それゆえ現代的ながらも、やわらかで上品な印象をうけるもの。採用したブランドをみても、都市的な女性的をイメージするところがおおいですね。なんだかOLとかInstagramと親和性がありそうな書体。中村先生はかってに‘マガジンハウス系 Hanako OL書体’ と命名したそうです。

(大人の男ならAesopの化粧品を!と店内に入ったのですが、値段を見てそっと商品戻しました…。)

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KIHACH、DEAN & DELUCA……
カフェやスイーツのブランドでは、この数年、Copperplate(カッパープレート)を用いたものをよく見かけるようになりました。もともとはネームカードや招待状などにもちいられていた書体。もしかすると、そうした経緯もあり、いまでもどこかで、そうした「ちょっとしたパーティ」感を醸しだしているのかもしれません。

(DEAN & DELUCAのバッグを持っている人はリア充と勝手に決めつけていた、黒歴史がある丸山的にはこの書体を勝手に”リア充書体”と名付けました。)

2.字と字の間のスペースで印象がグッと変わるよ!

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BAY QUARTER
ベイ・クオーターはGill Sans(ギル・サン)を用い、文字と文字のあいだ(字間)をゆったりととったロゴです。どうでしょう?
読むスピードに変化がありませんか? 話しことばとおなじく、ゆったりと組まれた文字はおだやかな印象にもなります。
ギル・サン特有のかわいらしいかたちと、ゆったりとした字間は海辺のショッピングセンターにはぴったりです。
ちなみに同じGill Sansを使っている有名なロゴでFamily MartやRolls-Roysもありますよ!

3.印象だけでなく、機能で書体を選ぶ事も出来る!

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YCAT
横浜シティ・エア・ターミナル(YCAT)の案内表示にはFrutiger(フルティガー)やその系統書体が採用されています。もともとフランス シャルル・ド・ゴール空港の案内表示のために設計された文字。Cや3、Sなどの巻き込みが浅く、大胆にカットされているのが特徴です。これは離れた場所からでもCをO、3やSを8と間違えないように工夫された処理。読む文字と見る文字の違いですね。
「ちなみに以前、丸山先生とフルティガーのCで視力検査表をつくってみたら、ものすごい視力がたたき出されました。」(中村先生より。)

(普段さりげなく見ている掲示板にもこんな意味があったんですね!これで私の方向音痴も治るのかしら…。)

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欧文サンセリフ書体の王道、Helvetica!
おそらく20世紀で最も用いられた書体であろうHelvetica(ヘルヴェチカ)。バリエーション豊富なこの文字は、今回のツアーでも最も目についたものです。
MUJI
BMW
BEAMS
A.P.C などなど…
ここに紹介したもの以外にもさまざまなHelveticaロゴをみつけることになりました。ナチュラルな生活雑貨を扱う無印良品から、ファッショナブルなBEAMSにA.P.C、それからメカニカルな自動車であるBMW……と、タイプのことなるブランドでも成立してしまうのが、Helveticaの懐の深さを象徴しているかもしれません。

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いかがでしたか?

何気なく見ていたロゴの書体を知るだけで、世界がちょっと楽しくなりますよ(そして、何故かまぶしい…!)

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(この書体にはいったいどんな意味が…。今度理事に連れてってもらおう。)

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そして、最後にそんな中村先生が担当するワークショップ講座をご紹介!この機会に是非ご参加下さい。

中村先生が担当するオープンキャンパスはこちら

以前行った「CORNER」の授業の様子はこちら

タイポグラフィ学会についてはこちら
http://www.society-typography.jp/

協力:

おとなのアート&デザインの学校 CORNER

WEデザインスクール

タイポグラフィ学会

※今回使用させてもらったロゴマークの権利は各企業に帰属します。あくまでデザインツアー講座の一環として行ったもので、商用、広告などの目的は一切ありません。

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