木彫の修復とは──彫刻刀づくりから始める木製品修復

彫刻刀で木材を彫る手元 授業紹介

木製品の保存修復が扱う対象は、幅広く広がっています。仏像や仏具、神像や神具、神輿、そして寺社仏閣の建築彫刻まで、屋内から屋外に設置されたものが含まれます。修復では彩色の剥落留めや、欠損した彫刻の補修、失われた彩色の補彩などを行います。東洋美術学校の保存修復科では、その基礎を「木製品修復基礎」で学んでいきます。

木製品修復は、まず何から始めるのか

木彫の学びは、道具そのものを作るところから始まります。

1年次の授業では、彫刻刀の持ち方などの初歩を身につけるため、彫刻刀の柄を製作し、刃を挿して自分の彫刻刀を作ります。柄は自分の手に合うように削っていきます。使う道具を自分で仕立てる工程を通して、木という素材と刃物の扱いに手を慣らしていきます。

木彫に使う2本の彫刻刀

華紋の板彫りで学ぶ、彫刻刀の取り回し

自作した彫刻刀を使い、文様を板に彫り出す実習に進みます。

1年次では、華紋や華菱文様といった文様の板彫りを製作し、線や曲線といった基本的な彫刻刀の取り回しを学びます。彫刻する文様を下描きし、その線に沿って木目を見ながら彫る方向を見極めます。彫る深さが均等でないと美しく見えないため、ここには経験が必要になります。手板と呼ばれる地紋は、何百年も前から仏師の間に伝わる基本の彫り方で、神社やお寺の装飾に使われてきました。

華紋を彫り出した木彫のパネル

いつ学ぶのか──基礎から実務へ

木彫は、学年を追って基礎から実際の修復へと進みます。

1年次と2年次の「木製品修復基礎」で、彫刻刀の扱いと木彫、彩色の方法を製作を通して学びます。2年次では、より高度な技術を要する唐草文様の透かし彫りを行い、彫り終えた作品に、木彫で伝統的に使われる水干絵具で極彩色を施していきます。授業では木彫品の製作を進めつつ、講師が実際の現場で行ってきた修復作業の経験をもとに、木彫修復の現場で使われる材料や必要とされる技術についても話をしていきます。そして4年次には「木製品保存修復」へと進みます。

立体作品を前に指導を受ける様子

保存修復科で学べること

木製品修復は、東洋美術学校 保存修復科が扱う分野の一つです。

保存修復科では4年間をかけて、油彩画・日本画・染織品・洋紙・文書など複数分野の修復と保存科学を実践的に学びます。木彫を含む各分野の学びは、保存修復科の学科ページで紹介しています。カリキュラムや進路の方向性は、資料請求でより詳しく確認できます。

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