ジェランガムゲル処置でのゲル濃度の検討

卒業制作

🏆 卒業制作(卒業研究) 優秀賞

保存修復科

古谷 未緒

ジェランガムゲル処置でのゲル濃度の検討

はじめに:
日本は特に自然災害が多い国であり、地震、津波、台風や大雨による川の氾濫などで資料が汚水や海水に浸かってしまう。汚損した紙資料の水による洗浄はその後の保存にとって重要な処置工程であるが、水に敏感な描画材料が確認されあるいは劣化した基質自体が水に脆弱性を示すなどの水洗が困難な場合はジェランガムゲルを用いた処置法が採用されることがある。ジェランガムゲルを使用した文化財等への処置は、海外ではいくつか処置事例もあり実際に処置方法の一つとされてきているが日本ではまだメジャーな方法とは言えないため、この方法が実際の現場での処置の選択肢の一つになればと思い、本研究に至った。

研究目的:
本研究ではジェランガムゲルの濃度による特性の違いと様々な処置におけるゲルの濃度との関係を明らかにし、ジェランガムゲルでの処置を行う際に処置目的と資料の特性に合ったゲル濃度の選択のための参考となる結果の提示を目的とする。

研究方法:
本研究ではいくつかの実験を通してゲルを用いた処置におけるゲル濃度との関係や処置の効果の評価を行った。本要旨では行った実験の中から以下の3つの実験を抜粋して記す。

1.ゲル濃度とゲルが紙に与える水分量との関係
2.ゲル濃度と描画材料のにじみの程度の関係
3.ゲル濃度と脱塩効果の関係

※結果と考察は以下の画像をご参照ください。


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