表装とは──掛軸を仕立てる、日本の伝統技術

表装の工程で道具を使い紙を扱う手元 授業紹介

表装、あるいは表具は、日本の伝統的な職業の一つです。掛軸や和本の装丁、屋内の天井画や壁画、襖の仕立て、そしてこれらの修復作業を担ってきました。表装技術によって作られた文化財は現在でも数多く残されており、日本の文化財の一分野を形作っています。東洋美術学校の保存修復科では、この表装を実技として学びます。

表装の授業では、何を身につけるのか

授業では、制作の過程を通して表装の構造と技術を理解していきます。

仮張りや色紙掛け、掛軸といったものの制作の過程から、その構造や技術、道具や材料を知り、修復の方法や作品を安全に取り扱うための基礎知識を身につけます。2年次の日本画模写で描いた作品を飾る掛軸を、自分の手で仕立てます。

壁に並ぶ表装された作品

掛軸はどのような工程で仕立てるのか

掛軸の制作には、数多くの工程が順を追って必要になります。

本紙となる絵画や書の採寸から始まり、裂の選定、裏打ち、切継ぎ、耳折り、裏摺り、耳すき、軸八双づけ、巻打ち、紐づけ、風袋づけと続きます。本紙の裏に薄い和紙を貼って補強する裏打ちのように、一つひとつの工程が作品の保存に関わっています。寸法通りに仕立てるため、各工程で集中が求められます。

伝統的な道具と材料に触れる

表装では、ふだん目にすることの少ない道具と材料を扱います。

工程では糊や和紙、裂といった材料を使い、刷毛や糊漉し、丸包丁やヘラといった伝統的な道具を用います。丸包丁で和紙を切る作業は、初めはまっすぐ切れず苦戦しますが、続けるうちに綺麗に切れるようになります。見たことのない道具や材料に触れることで、日本の伝統文化の奥深さを実感していきます。

工房の壁に掛けられた表装用の刷毛
額装作品が並ぶ工房の風景

いつ学ぶのか──3年次「表装」

表装は、保存修復科の3年次に置かれた実技です。

3年生は4年間の中で最も忙しい期間で、油彩画や染織品、洋紙や文書の保存修復とあわせて、表装の授業が行われます。2年次の日本画修復で処置をした色紙や源氏物語絵巻の模写を、掛軸に仕立てていきます。これまで学んだ調査方法や技術を土台に、作品を安全に扱いながら仕立ての技術を身につけます。

床に広げた大きな作品を扱う様子

保存修復科で学べること

表装は、東洋美術学校 保存修復科が扱う分野の一つです。

保存修復科では4年間をかけて、油彩画・木製品・日本画・染織品・文書など複数分野の修復と保存科学を実践的に学びます。表装を含む各分野の学びは、保存修復科の学科ページで紹介しています。カリキュラムや進路の方向性は、資料請求でより詳しく確認できます。

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