和装本と呼ばれるものには、冊子本、巻子本、折本、画帖、手鑑、大福帳など、さまざまな種類があります。東洋美術学校の保存修復科では、「和装本製作技術」の授業でこれらを実際に作りながら、本の構造を理解していきます。本や動画を見るだけではわからない部分を、自分の手で確かめるのが目的です。
なぜ、本を「作りながら」学ぶのか
和装本の構造は、手を動かして作ることでしか身につかない部分があります。
授業では「四つ目綴じ」という糸綴じの本の製作を中心に、できるだけ多くの種類を作っていきます。この分野の作業の基本は、紙を裁つ、折る、貼るという三つです。色々な形態の本を製作するなかで基本的な動作を反復し、自分の体に覚え込ませることで、他の技術と組み合わせた応用が利くようになります。

材料と道具を、自分で管理する
技術を高めること以上に、材料や道具を大切にすることを重んじます。
製作の過程に応じて、和紙などの材料や刷毛をはじめとする道具類を使い分けます。表紙で使う千代紙をサイズに合わせて切る際は、三角定規やアクリル定規を用いて正確に切っていきます。これらの取り扱いや手入れの仕方も授業で説明し、学生自身が管理します。道具を大切にする姿勢は、そのまま資料を大切に扱う姿勢につながっていきます。

自分だけの一冊へ
基本を身につけた先に、自由に工夫する余地があります。
基本的な綴じ方を試したあとは、糸の色を変えたり、複数の種類の綴じ方を一冊の中に取り入れたりと、自由にアレンジして自分だけの和装本を製作します。表紙も千代紙や無地の和紙、裂地と呼ばれる織物などを用いて作ります。分からない所は教え合い、協力しながら、最終的には全員が自力で本を作れるようになることを目指します。
いつ学ぶのか──1年次から段階的に
和装本づくりは、1年次から学びます。
1年次の「和装本製作技術」で、綴じ・裁つ・折る・貼るといった基本を身につけます。同じ1年次の「洋書製本技術」とあわせて、和と洋の本の構造を対比しながら理解を深めます。3年次の「洋式本保存修復」では、古い本を解体して各ページをクリーニング・補修し、元の形態に製本し直す修復へと進んでいきます。
保存修復科で学べること
和装本の製作技術は、東洋美術学校 保存修復科が扱う分野の一つです。
保存修復科では4年間をかけて、油彩画・木製品・日本画・染織品・文書など複数分野の修復と保存科学を実践的に学びます。和装本を含む各分野の学びは、保存修復科の学科ページで紹介しています。カリキュラムや進路の方向性は、資料請求でより詳しく確認できます。
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